「天下無敵の宮本算数教室」85%が難関校に進学 その授業内容│NEWSポストセブン
「私の教室は授業開始時間になったら、無言で黒板に問題を書きます。それを子供たちはノートに書き写して、制限時間が来るまで自力で問題に取り組みます。できた子は手を上げる。私が見て正解なら“まる”で次の問題を与える。間違っていたら“ボツ”で、やり直し。それだけです。私は教室で子供たちとまったくしゃべらないし、問題の解説もしません」
講師は宮本さんひとりだけ。事務方も秘書もいない。授業時間は小3から小5までが算数のみで2時間半、6年生は国語が加わり4時間。休憩はない。小学生がそんなに長い時間集中して問題を解き続けることに、まず驚かされる。
教室は各学年20人程度で、開講は土日のみ。入塾は無試験だが、入塾希望者をメールの先着順で受けつけると、親に向け一斉に算数パズルを送る。パズルを返信してきた親の正解順に20名を受け入れる仕組みだ。
「親子とも事前の面接をしないので、入ってくる子供たちのレベルは見事にバラバラ。最初から賢い子供もいますが、“えっ?”と思うような子供もいます」
それでも最終在籍生徒の約85%が難関中学の開成、麻布、栄光、筑駒、桜蔭、フェリスなどに進学していく。
が、彼が目指しているのは、ただ勉強のできる子を増やすことではない。
「このやり方だからこそ、子供の考える力が伸びるのです。考える力は、大手進学塾が鍛える計算力や暗記力では身につきません。付け焼刃ではない、本物の算数に全力で取り組んだ子供たちにとって、中学受験はそれほど難しいことではないんです」
子供にとって、ひとつの問題を自分の力で考えて、正解までたどりついた達成感に勝るものはないという。
自分に自信が持てる。親や教師の叱咤激励より、それが子供たちの人生をよい方向に導くと、宮本さんは確信していると話す。