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コラム:米中が露呈した外交的矛盾=ブレマー氏 | Reuters

オバマ大統領は従来型軍事行動のリスクを回避しようとするあまり、非従来型の代替手段を積極的に活用している。

イラクでの紛争は米国の国益にとって真の脅威だが、アフガンとイラクからの米軍撤退を外交分野の功績としてアピールしている大統領にとっては、最後まで関与を回避したい問題だろう。米国の安全保障にとって、イエメンでの武装勢力掃討よりイラクへの関与の方が重要だとしても、現段階での直接介入は政治的代償が大きい。

一方、中国の習近平国家主席は、自国の経済モデルを転換すべく野心的な改革を実行することで手一杯な状況にある。これは前例のない実験であり、中国が世界の表舞台で「責任ある利害関係者」になりたがらない理由の大半を説明できる。中国が実際にもっと強大になるまでは、習氏は自国の力を控え目にしか売り込まないだろう。


こうした国際的な関与をためらう背景には、中国が長年、内政不干渉の原則を貫いてきたことがある。イスラム過激派がモスルを制圧したとき、中国はそれを非難する公式声明を出すことすらしなかった。ロシアによるクリミア編入を認めないとする国連総会決議案は採択を棄権し、ウクライナ危機に関してロシアにも西側にもくみせず、傍観する立場を取っている。


だが、中国の国境を越えた核心的利益となると、習主席はこうした信条をかなぐり捨て、積極的に独自の道を突き進む。中国は昨年、東シナ海防空識別圏を設定。当然のことながら、日本との緊張を高めることになった。


中国はまた、南シナ海の9割の領有を主張し、周辺諸国との関係を悪化させている。そして、漁船の一団を伴い、同海域に石油掘削装置(リグ)を設置したことで状況は一段とエスカレートした。ベトナムでは暴力的な反中デモが発生し、2国間の経済関係も多大な打撃を被っている。


習主席は国内で改革を成功させることに専念したいが、相次ぐ外交問題はそうした路線からの危険な逸脱を招き、長期的な経済的利益が損なわれることになる。