「知識量をいくら積み重ねても合格への道は開けない。どこかで受験勉強ではない、法学という学問の神髄にふれる飛躍が必要なのである。
このジャンプがなければ仮に受かっても、学説と判例を貼り付けるだけの文章しか書けず、第三者の共感を獲得できる口頭弁論と尋問もできない。」
「人は人生に1度しかない困難を抱えて法律事務所の扉をたたく。その苦しみに共感し、一緒になって悲しみや苦しみの中から立ち上がる。そんな法律家になりたい。そして育てたい。
そのために必要な自分の頭で考える方法と志とは何なのか。」
「ノートのとり方はどう、答案の書き方はどうこうせよ、基本書の独習と授業の関係はどうしたらいい、といったプラグマチックな方法論にふれていないから、そういうことを期待する向きには、あまたあふれる受験参考書を手に取られることをお勧めする。」
法律家の仕事は、学説や判例の暗記だけで務まるべきものでない。
大事なことは、法の精神と構造をつかみ、それを論理的に活用すること。
そして、梓澤氏が強調するように、困難を抱えて法律事務所の扉をたたく人々の苦しみに共感し、一緒になって悲しみや苦しみの中から立ち上がる力と想いを有すること。
「自分にしかわからないことを誰にでもわかるように書く」
「物を考える一番有効な方法―それは書くことである」