欧州委員長選出、ユンケル氏への支持固め加速 27日に候補決定へ | Reuters
ユンケル前ルクセンブルク首相の次期欧州委員長就任阻止を狙う英国の試みは失敗に終わりそうだ。イタリアからのユンケル氏支持を確保する思惑から、ドイツが予算に関する欧州連合(EU)の規定について柔軟な解釈を示したためだ。
メルケル独首相は、成長促進に向け、EUの定める財政赤字の上限について柔軟に対応することを容認する姿勢を示した。財政規律への柔軟な対応を望むイタリアのレンツィ首相の期待に応えることで、27日の欧州委員長候補の決定で、レンツィ首相がユンケル氏を確実に支持するという状況をつくろうという思惑が働いている。
メルケル首相はドイツ連邦議会(下院)で、「安定成長協定は、道筋と限度を明確に示す一方、柔軟に対応する道も残しており、(成長促進と競争力向上に)素晴らしい環境を提供することにドイツ政府も同意している」と述べた。
英国のキャメロン首相はユンケル氏の就任に強硬に反対。EUに新たな息吹を吹き込めるような技量も情熱もないと批判していた。キャメロン首相は、欧州連合(EU)首脳会議での採決を自ら要求したが、ほぼ確実にユンケル氏が選出される見通し。
当初はキャメロン首相と懸念を共有していたスウェーデンとオランダの首脳もユンケル氏就任を阻止しない考えを表明した。