シリアでは、アサド政権と反政府勢力の穏健派、それにイスラム過激派組織が入り乱れて戦闘を続けていますが、このうち過激派組織が今月になって隣国イラクに越境し、第2の都市モスルを制圧するなど、イラクでも勢力を拡大しています。
アメリカのオバマ政権は26日、海外での軍事作戦などに関する来年度の予算案を議会に提示し、このなかでシリアの穏健派の反政府勢力に対し訓練や装備品の提供を行うためとして5億ドル、日本円で500億円余りを要求しました。アメリカ政府は、シリアでアサド政権の打倒を掲げ、穏健派の反政府勢力への軍事支援を行ってきましたが、国防総省が訓練に乗り出す方針を示したのは初めてです。イスラム過激派組織がイラクとシリアの国境を行き来し活動を活発化させるなか、アメリカ政府はイラクでは軍事顧問を派遣して政府軍を支援していますが、シリアでも対抗する勢力への支援を強化し、両面から弱体化を目指していくものとみられます。