李嘉誠氏、格差拡大憂い夜も眠れず−「新たな標準」化を懸念 - Bloomberg
香港の資産家、李嘉誠氏は貧富の差拡大や信頼感の後退をこのまま放置すればそれが「ニューノーマル(新たな標準)」になるのではないかと心配で夜も眠れないと話す。
不動産開発会社チョンコン・ホールディングス(長江実業集団)の会長を務める李氏は中国の汕頭大学で学生を前に講演し、ダイナミックで弾力性のある再分配政策を可能にするための新たな措置を導入するよう当局に呼び掛けた。講演内容は李嘉誠基金会のウェブサイトに27日掲載された。資源不足の高まりも李氏にとって悩みの種となっているという。
香港では次期行政長官を選ぶ2017年の選挙方法をめぐって意見が二分している。香港の民主派団体が実施した行政長官の選出方法に関する模擬投票では78万7000人余りが選挙を管理する中国政府の方針に反対票を投じた。貧富の差が過去最大の水準にあることや住宅価格が09年以降2倍に上昇している状況にあって住民の不満は高まっており、当局に一段の行動を求める動きとなっている。
香港科技大学のデービッド・ツワイグ教授(政治学)は「香港での現状打破を目指す動きの理由の1つには、現行制度が不公正で、富裕層支援に偏っていると多くの若者が感じていることがある。李氏はその問題の一部は経済問題だと認識している」と語った。
Li Ka-shing Kept Awake at Night by Wealth Gap, Waning Trust - Bloomberg