イラク北部の自治区に暮らす少数民族クルド人は、イラクの中央政府と石油収入などを巡って対立を続けてきましたが、今回の一連の戦闘のさなかに、クルド人部隊が巨大油田のある自治区の外の都市キルクークを制圧し、今も実効支配を続けています。
こうしたなか、クルド自治政府のバルザニ議長は１日に放送されたイギリスＢＢＣ放送のインタビューの中で、「最近起きた出来事から分かるように、独立を成し遂げるのはクルド人の権利だ」と述べました。
そのうえで「イラクはすでに事実上分裂しており、われわれは住民投票を行う。それは数か月以内の問題だ」と述べ、数か月以内にクルド人居住地域のイラクからの独立の賛否を問う住民投票を行う考えを示しました。
バルザニ議長は、どのような形で住民投票を行うのか明らかにしませんでしたが、イラクの中央政府が激しく反発するのは間違いなく、今後の展開しだいではイラクが分裂に向かう懸念も出ています。
【イラク情勢】クルド独立に住民投票 「数カ月以内」と議長 - MSN産経ニュース
イラク北部クルド自治政府トップのバルザニ議長は１日までに、自治区の独立は「私たちの目標」と明言した上で、数カ月以内に独立の是非を問う住民投票を行うと述べた。実行されれば、イラク分裂が現実味を増す可能性がある。英ＢＢＣ放送がインタビューを放映した。
バルザニ氏は「もはや（独立という）私たちの目標を隠しはしない。イラクは今、事実上分裂した。独立するかを決めるのは私ではなく、人々だ」と述べた。
イラク北部３州からなる自治政府は、イスラム過激派「イスラム国」進攻に乗じて、自治区外の係争地に治安部隊を派遣し、実効支配を拡大した。クルド人はイラクのほかトルコ、シリア、イランにまたがって住む少数民族で、自治区独立の動きは各国クルド人の民族主義運動も刺激しそうだ。
