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焦点:ECB、長期供給オペに「民間版QE」の役割期待 | Reuters

欧州中央銀行(ECB)は6月に打ち出した「的を絞った長期資金供給オペ(TLTRO)」について、量的緩和(QE)の代替手段としての役割を期待している。行内で意見の分かれるQEを避けて通りながら、借り入れコストを低下させられるというわけだ。


TLTROは表向き、銀行による企業向け貸し出しを促進する目的で導入された。しかし銀行はTLTROにより低利で借りた期間4年の資金を金融資産の購入に回すことも可能で、実際にはハイブリッド型プログラムといえる。


ECB当局者らは、TLTROがめぐりめぐって「信用乗数」効果を生み出すと期待している。つまり民間部門がTLTRO資金で資産を買い、借り入れコストを押し下げることにより、ECBに代わってQEを実行する形だ。


プラートECB専務理事は9日、ロイターに対し、「これはローンだが、ただのローンではない。流動性の注入、資金調達の代用でもある」と語った。


次の3つの経路のいずれかを通じて、こうした効果が発揮されるというのがECBの考え方だ。


つまり、銀行がTLTRO資金を(1)家計あるいは企業に貸し出し、直接的に景気回復に寄与する(2)資産を購入する(3)自ら社債を発行することによる資金調達の代わりとして使う──という経路だ。


最後の2つは、ECBから資金を借りられない銀行を含め、すべての銀行の資金調達コストを押し下げ、社債市場全体の金融環境を緩和させる波及効果が期待できる。


このうち(3)は、いわゆる「ポートフォリオ・リバランス効果」だ。プラート専務理事は9日の講演で、「TLTROにより投資可能な資産に希少性が生じ、利回りが低下し、オペに参加していない銀行にとってさえ調達環境は緩和する」と説明した。


専務理事はまた「社債市場の他の部門にも波及効果が生み出される可能性がある。銀行債の投資家は供給の希少性に触発されて投資を分散させ、他の市場に資金を再投資するからだ」とも話した。