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政策金利のベクトルが変わるときは「売り」だ!|世界投資へのパスポート|ザイ・オンライン

【今回のまとめ】
1.米国市場は大幅安した
2.GDPは良かった
3.雇用統計もサプライズなし
4.FRBは今後インフレの兆候を監視する
5.政策金利の方向が変わるときは売り

 去年5月にバーナンキ前議長が「債券買入れプログラムを縮小しはじめる」とシグナルしました。それ以来、FRB金利政策は、債券買入れプログラムの縮小だけにフォーカスしてきました。


 この作業は、当初の予定より早く、今年の10月に終了する予定です。


 するとFRBが次にやらないといけないことは、中央銀行の在庫となっている4.1兆ドルの債券類の今後の処分方法に関して、その基本方針を示すことです。下は世界の主要中央銀行の資産を示していますが、米国のFRBは水色です。どんどん資産が増えていますが、その多くが、いま問題にしている量的緩和政策で買い込んだ債券類です。


 もちろん、FRB保有している債券を全部抱えたままにしておいても、償還が来たものから徐々にキャッシュに変わります。従って、極めてゆっくりしたペースでFRBは在庫を減らしてゆくことが出来るのです。


 ただ、それは現在のような物価が安定した状態が、ずっと続くという理想のシナリオの場合だけにあてはまることで、運悪く物価が上昇しはじめれば、FRBはインフレ退治のために政策金利であるフェデラルファンズ・レートを引き上げはじめないといけません。


 順番としては、フェデラルファンズ・レート引き上げに着手する前に、在庫になっている債券類の処分に関する基本方針を市場に対して示す必要があります。


 幸い、今はアメリカの消費者物価指数が2.1%で推移しており、これはFRBが目標としている2%にほぼ一致しています。つまり慌てる必要は、一切ないのです。


 でも今後は雇用ではなく物価の動向に、より注意を払う必要があります。

 近年、FRBは夏に大方針を発表することが多かったです。もっとピンポイントで言えば、例年8月にワイオミング州で開催されるジャクソンホール・シンポジウムの前後に大方針が打ち出されるのが通例でした。


 すでに債券買入れプログラムの縮小の完了が視野に入っているので、FRB次の一手を市場に示す必要があります。

 その次の一手とは、在庫にしている債券類を、今後、処分するのか、しないのか? という問題に加えて、一体、いつ頃からフェデラルファンズ・レートの引き上げに着手するのか? という問題です。