マレーシア航空の株式の７０％近くを保有する国営の投資会社は、８日、残りのすべての株式を個人株主などから買い取って、事実上完全に国有化する方針を明らかにしました。
マレーシア航空は、同じマレーシアに拠点を置く格安航空会社エアアジアの市場参入などの影響で、過去３年連続で赤字となったうえ、ことしの第１四半期も日本円で１４０億円余りの赤字を計上しました。
さらにことし３月、北京に向かっていた旅客機の行方が分からなくなったことで、中国からの便にキャンセルが相次いだほか、先月にはウクライナ東部で旅客機が撃墜されたことで、経営の先行きを懸念する声が高まっていました。
国有化によってマレーシア航空はマレーシアの証券取引所への上場が廃止され、今後は政府主導で再建を目指すことになりますが、人件費の削減に懸念を示す労働組合との折衝などの課題も指摘されています。
