ISを作り、育て、支援している米国はイラクのマリキ政権を倒そうと画策、ISの進撃は米国の思惑 | 《櫻井ジャーナル》
アメリカ政府はマリキ政権を倒すためにこうしたイラク人グループを後釜へ据えるつもりだったかもしれないが、ロシアが出てきたことで放置できなくなったと考えることもできる。ただ、こうした背景を考えると、アメリカがISを本気で叩くとは思えない。
ジョージ・W・ブッシュ政権にサダム・フセイン体制が破壊された後、事実上、イラクは3分割された。南部はシーア派、中部はスンニ派、そして北部はクルド人。クルド人の居住地域はシリアやトルコへも広がり、油田地帯と重なる。
このクルド人をイスラエルは支援してきたが、目的のひとつはイラクを解体して弱体化することにあった。石油利権を睨んでクルド人の国を作ろうと考えているアメリカ人もいるようだが、ISが支配している地域とも重なる。ISはシリアの35%、シリアで石油や天然ガスの採掘できるほとんどの地域を支配したと反シリア政府派は主張しているが、イラクでも油田地帯を押さえている。
現在でもイスラエルには「大イスラエル」を目指している勢力が存在する。旧約聖書に書かれた「約束の地」、ナイル川とユーフラテス川に挟まれた地域をイスラエルの領土にするというのだが、そうなるとシーア派は追い出されることになるのだろう。シーア派の拠点はイランだ。
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