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忍耐力のテスト:平和愛好政策を続けるロシア - The Voice of Russia

ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は、タカ派の期待に応える事はなかった。14日、大統領はクリミアで、政治エリートを前に演説したが、平和愛好的姿勢を強調した。野党勢力や世論の側からの圧力にもかかわらず、大統領は、ウクライナ紛争及び欧米との関係における危機的問題の解決において、外交的手段による調整を強く主張している。


多くの人々が、プーチン大統領のクリミアでの演説を緊張を持って待ち受けていた。対ロシア国境地帯でのキエフ当局による長期に渡る軍事作戦、欧米の対ロシア制裁、国際機関におけるロシアの人道的イニシアチブの検討の先延ばし…といったやり方には、ロシア国民は怒りを禁じえない。それゆえ、会合に招待されたロシア議会下院・国家会議の議員達でさえ、大統領は国益を守るため強硬な措置を発表する可能性もある、と見ていた。しかしプーチン大統領は、平和的な方策しか口にしなかった。


ウクライナについて、プーチン大統領は「あの国は流血のカオスの中にあり、骨肉相食む紛争にのめり込んでしまった」と指摘し、次のように強調した―
「国の南部・東部では、大規模な人道的カタストロフィが起きている。ロシアは注意深く、隣国での事の成り行きを見守っている。ウクライナでの血で血を洗う争いが止むよう我々は可能なあらゆる事をするだろう。


ロシアは平和維持作戦を計画しているなどと一度も言ったことはない。なぜなら我々にはそんな計画はないからだ。一方欧米は絶えず、そうした物言いをして、人々を恐れさせている。そんな作戦は行われていないのにである。またロシアは脅迫的な最後通牒を出した事もなかった。ロシアの対外政策は、平和愛好的なものである。ロシアには、自国の安全を保障する巨大な潜在力があるが、軍事力は万能薬ではない。我々は、髭剃りを持って世界中を旅行して回るつもりはない。」


この発言について、ロシア政治分析センターのパーヴェル・ダニリン所長は、次のようにコメントした―


ウクライナと我々は、戦争が始まるかどうか、非常に際どいところにいる。狂ったキエフの政治家達や軍人達が明日一体、何を思いつくか誰にもわからない。今彼らから、しかるべき行動を期待する事も出来ない。


それゆえ必要不可欠なのは、ウクライナ危機が全面戦争に拡大するのを阻止するため、我々が良識を持つ事だ。プーチン大統領も、ロシアの様々なグループの利益を公平に考慮する立場を取っている。ロシアには、タカ派もいればハト派もいる。」


ロシアで現在、最も戦闘的な立場を取っているのは、野党勢力だ。クリミアでの会合で、社会民主主義政党「公正ロシア」のセルゲイ・ミローノフ党首(元上院議長)は、プーチン大統領に対し、ウクライナ軍によるロシア領内攻撃にもっと強く対応するよう求め「あれは、紛れもない侵略行為だ。ロシア市民が負傷し、財産を失っている。侵略者達には反撃し、彼らを殲滅しなくてはならない」と迫った。 また自由民主党のウラジーミル・ジリノフスキイ党首は、ロシア連邦の西部国境にロシア軍部隊を移動させ、ロシア経済をより軍事統制的にするよう提案した。


しかしプーチン大統領は、自制的立場を示す事をよしとした。ロシア及び一連のロシア企業や市民に対し制裁を導入した国々に対し、そっくり同じ措置を取るべきだとの燃え上がる強硬論を斥けた。


またプーチン大統領は、専門家がロシアの取るべき措置を検討する時間を与えた。それがロシア政府の、あの実感を伴う思いがけない措置として結実した。8月初め、ロシアは対ロ制裁を支持した国々からの食糧品の輸入を禁止したのである。市場を失った欧州の農場主や食糧品メーカーが、EU指導部に対し、ロシアとの関係を正常に戻すよう求め出すまで1週間もかからなかった。


ここで再び、ロシア政治分析センターのパーヴェル・ダニリン所長の見解を御紹介したい―


「これを通じ、我々は、国益を守る場合、平和的手段で守った方が利益があり、ずっと効果的だという例を目にしている。欧州は自分達のポケットに打撃が加えられなければ、対話の必要性を理解しなかっただろう。」


そうした中、フィンランドはすでに、ひとまとまりとなった反ロシア制裁の諸措置を放棄した。欧州の他の国々も、同様の道を取る事を考えている。一方15日、ウクライナは反対に、ロシアとのいかなる関係も一方的に断絶できる法律を採択した。キエフ当局は、ロシアの忍耐はもう終わりを迎えつつあるのだという欧州の経験を考慮していない。

http://d.hatena.ne.jp/d1021/20140815#1408099492