28日午後、日本時間の29日未明に開かれた安保理の緊急会合では、まずフェルトマン事務次長が報告を行い、「ロシア軍の関与の情報に関心を寄せている。事実であれば国際法と国連憲章の重大な違反に当たる」と強い懸念を示しました。
続いて欧米各国やウクライナから、ロシア軍の侵入は明らかで主権の侵害に当たるという非難が相次ぎ、このうちアメリカのパワー国連大使は「これでロシアの本性が明らかになった。ウクライナの不法な分離主義者を支え、ともに戦闘に加わろうとしている」と厳しく糾弾しました。
これに対してロシアのチュルキン国連大使は、事実関係に言及しないまま、「現在の混乱を招いた責任はウクライナ政府にある。国内の融和を図ることなく、力を使って東部を弾圧してきた」と述べ、従来の主張を繰り返しました。
安保理ではこれまで20回以上もウクライナ情勢を巡る会合が開かれてきましたが、欧米とロシアの非難の応酬に終始しており、ロシア軍の大規模な部隊が侵入したとされる新たな事態を前に打開策を打ち出すことができるのか、問われることになります。