露米:最も大きな意見の相違は何か? - The Voice of Russia
1990年代初頭に「唯一の超大国」であると宣言した米国は、その「チャンピオンシップ」をこんにち証明することはできない。米国が世界の秩序を一国で維持できる状態にないことは明らかだ。しかし米国は責任の共有を急いではいない。非常に多くの人が、このような状況に不満を持っている。原則的に、露米の現在の意見の相違の主な原因は、まさにここにある。
力を失いつつある米国は、リーダーとしての地位を確保するために、最も不適切な方法を選んだ。米国は自ら強くなれる状態にはない。そこで他のプレーヤーが力を失うために、あらゆることを行っている。米国・カナダ研究所のパーヴェル・ゾロタリョフ副所長は、米国は現在の「多極的」現実を考慮することを望んでいないとの考えを表し、次のように語っている。
「米国は全世界を自分たちの思い通りにするために努力するだろう。最近20年間の米国のドクトリン文書をみることができる。例えば、情報機関が準備した最新の文書2030年までの「グローバル・トレンド」では、米国の目標としてリーダーの地位の確保が掲げられている。米国の方針は、全体としてこの政策と一致している。」
世界は一極体制であることを止めた。新たなプレーヤーが政治の場に入ったが、米政府はそれを認めようとしていない。これは、米国とロシアの関係にも関連している。ロシア科学アカデミー世界経済国際関係研究所・米国外交内政政策部門のフョードル・ヴォイトロフスキー部長は、これを背景に、ロシア政府と米政府間の意見の相違は、主に2つの方向性で存在していると述べ、次のように語っている。
「一つ目は、ロシアとそのパートナーである独立国家共同体(CIS)との協力システムに関する意見の相違だ。そこには、未来のウクライナやウクライナとロシアの相互関係モデルも含まれている。米国の非常に多くの政治学者たちは、旧ソ連圏における何らかの統合を、新たなソ連とみなし、事前にその将来を恐れている。ロシアと米国の対立を推し量る2つ目のものは、世界秩序の構造や、ロシアを含む様々な国の位置関係に関する異なるビジョンだ。」
紛争を起こして、その後管理下に置くという米国の現在のやり方は、すでに様々な地域に多くの不幸をもたらした。米国の政策によって、多くの中東諸国にどのような結果が持たされたかは全ての人が目にしている。そして今、その不幸がウクライナにまで達した。ウクライナは、熱にうかされたように世界のリーダーシップを確保しようとする米国の最後の犠牲者ではないはずだ。世界にこれほどの不幸をもたらす政策は、最終的に崩壊する運命にある。実際のところ、米国はすでに崩壊した。ただ、この政策の「道案内人」たちが頑固なため、認めようとしていないだけだ。