FOMCの3つのシナリオ、「予行演習」済ませ反応は限定的か | Reuters
1つは「相当な期間(ゼロ金利政策を続ける)」という文言が残された場合、2つ目は、その文言が削除された場合、そして3つ目は文言が削除され、さらに経済見通しが上方修正された場合だ。
1つ目の「相当な期間」という文言が残された場合、ハト派的なニュアンスが強くなり、積み上がったドルロングのポジション調整が起きる可能性がある。IMM通貨先物で投資筋の円売り越しポジションは10万枚ある。巻き戻しが本格化すれば「円高方向に105円台を目指しそうだ」(国内証券)とみられている。
ただ、この場合、米株が上昇すれば日本株への悪影響は小さくなりそうだ。「最近の日本株は円安への反応が鈍かった。円高が進んでも、米株が上昇すれば、そちらを好感するかもしれない」(みずほ証券・エクイティ調査部シニアテクニカルアナリストの三浦豊氏)という。
2つ目の「相当な期間」という文言が削除された場合は、これまでそのシナリオをメーンとしてドルが上昇してきただけに、織り込み済みの反応になりそうだ。「米利上げが視界に入ってきたというのは市場の共通認識になりつつあり、文言削除だけでは新たな材料にはならないだろう」(邦銀)とみられている。
3つ目の「相当な期間」という文言が削除され、さらに経済見通しが上方修正された場合は、サプライズ感が強くなる。利上げに向けた本格的な地ならしが始まったと受け止められ、一段のドル高/円安が進む可能性がある。米金利も大きく上昇するとみられ、日本株は米株の動向次第だろう。