イエレンFRB議長:米国の貧困層はなお「極度に脆弱」 - Bloomberg
米連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長は景気回復が5年を過ぎてもなお、資産を持たない米世帯の大部分が「極度に脆弱(ぜいじゃく)」な状況に陥っているとの見解を示した。
イエレン議長は18日、ワシントンで講演。事前原稿によると「危機の最悪期を遠く後にして、経済の改善は続いている」と発言。「しかし、多くの世帯がいまだにリセッション(景気後退)の影響を受けている。もともと貯蓄や他の資産をほとんど持っていなかった人々への影響はとりわけ厳しい」と述べた。議長は金融政策の見通しや経済に言及しなかった。
イエレン議長は、所得が下位20%の家計の純資産中央値は昨年でわずか6400ドル(約70万円)だったとするFRBのリポートを引用。このグループに属する約2500万世帯の多くは「財産を持たないか、あるいは純資産がマイナス」だという。こうした人々の収入は減少し続けており、ホームエクイティ(住宅評価額からローン残高を差し引いた部分)の価値は落ち込んだ状態のままだと議長は話した。
「大半の世帯にとって、ホームエクイティは資産の大部分を占める。多くが住宅危機で失ったエクイティをまだ取り戻していない」と続けた。
Yellen Says U.S. Poorest Remain ‘Extraordinarily Vulnerable’ - Bloomberg