イラクやシリアで勢力を拡大するイスラム過激派組織「イスラム国」に対処するため、アメリカのケリー国務長官が国連の安全保障理事会で外相級の会合を開き、国際的な包囲網の強化を呼びかけました。
この会合は、国連の安全保障理事会の議長国、アメリカのケリー国務長官が19日に開き、安保理の理事国やイラクの支援に当たっている日本など38か国が参加しました。
冒頭でケリー長官は、「『イスラム国』を壊滅させる包囲網は包括的なものでなければならない。アメリカは対応に一層力を入れる。さらに多くの国々と前進していくことを期待する」と述べ、国際的な包囲網の強化を呼びかけました。
これを受けて、アメリカとともにイラクへの空爆を開始したフランスのファビウス外相がアメリカの姿勢を支持したほか、日本の薗浦外務政務官は、「日本としては軍事的な貢献はできないが、人道支援やテロ対策には積極的に取り組む」として、避難民への人道支援として緊急無償資金協力などを行うと説明しました。
一方、核開発問題などを巡ってアメリカと鋭く対立してきたイランのアラグチ外務次官は、「イスラム国」の脅威は認めながらも、軍事行動はあくまでも国際法が認める範囲にとどめるべきだと、くぎを刺しました。
アメリカは来週、オバマ大統領も安保理の首脳級の会合を開く予定で、国連の場で「イスラム国」に対する国際社会の結束を一段と強めたい考えです。
国連の安全保障理事会では19日、アメリカのケリー国務長官の呼びかけでイスラム過激派組織「イスラム国」への対策について外相級の会合が開かれました。
この中でケリー長官が「『イスラム国』を壊滅させる包囲網をつくるため、アメリカは一層力を入れる。さらに多くの国々と前進していきたい」と述べ協力を呼びかけたのに対し、中東やヨーロッパの各国や日本はアメリカを支持する姿勢を示し、軍事面や人道支援の面で支援を行う用意があると表明しました。
これに対してロシアやイラン、シリアの代表は、「イスラム国」の脅威は認めながらも、「軍事行動はあくまでも国際法や国連憲章にのっとり、テロと戦っている各国政府の了解のもとに行われるべきだ」などと述べ、アメリカがシリア政府の同意のないままシリア国内への空爆の準備を進めていることをけん制しました。
アメリカは「イスラム国」に対する軍事行動について国際社会の幅広い支持を取りつけたい考えですが、安保理で足並みの乱れも浮き彫りになり、来週以降、各国の首脳が集まる国連総会でどこまで支持を広げることができるかが焦点となります。
.@JohnKerry's statement as chair of Ministerial Debate of UN Security Council on #Iraq: http://go.usa.gov/pf7B
Secretary @JohnKerry's interview with Hisham Melhem of Al Arabiya: http://go.usa.gov/pdpG