ウクライナ東部を巡って、NATO=北大西洋条約機構は、ウクライナ政府と親ロシア派が今月5日に停戦したあともロシア軍およそ1000人がウクライナ領内にとどまっているとして批判していますが、ロシアは軍の派遣自体を認めていません。
21日、モスクワの中心部では、ロシアによるウクライナへの軍事介入に反対するデモが行われ、数万人が参加しました。ウクライナ東部の情勢が緊迫したことし4月以降、これほどの規模で軍事介入に反対するデモがロシアで行われたのは初めてです。
参加した人たちはウクライナの国旗を掲げて、「ロシア軍はウクライナから撤退せよ」とか「戦争反対」などと声を上げながら、およそ3キロを行進しました。参加した男性の1人は「ロシア軍はウクライナから撤退すべきだ。ロシア政府は軍の派遣の事実を認めるべきだ」と話していました。
ロシアの民間調査機関によりますと、「ロシアがウクライナと軍事衝突した場合、政権を支持するか」という問いに対し、先月、「支持しない」という回答が「支持する」を初めて上回りました。これは、欧米各国がロシアに対して経済制裁を科すなか、ウクライナへのこれ以上の介入に反対する声がロシア国内で広がっていることがうかがえます。