イエメンでは今月に入り、北部を拠点にするイスラム教シーア派系の反政府勢力が首都サヌアで政府軍への攻勢を強め、中東の衛星テレビアルジャジーラによりますと、これまでに100人以上が死亡しました。
一連の衝突では、国営放送局が攻撃を受けて放送を中断したほか、外国の航空会社がサヌアへの就航を相次いで取りやめています。
こうしたなか国連の特使が仲介に乗り出し、20日、双方が暫定的な停戦で合意し正式な署名に向けた準備が進められていると発表しました。
しかし、現地では新たに夜間の外出禁止令が出され、迫撃砲弾による攻撃で複数の住宅や病院が被害を受けたと伝えられるなど一部で衝突が続いており、予断を許さない情勢です。
イエメンでは3年前に「アラブの春」と呼ばれた民主化要求運動が広がり、当時のサレハ大統領が退陣しましたが、その後治安が悪化し南部では国際テロ組織アルカイダが活動を続けています。
これに北部を拠点にするシーア派系の反政府勢力の動きも加わり、中東での新たな混乱の広がりが懸念されています。