アメリカ国務省の高官によりますと、国連総会に合わせてニューヨークを訪れているケリー国務長官と、イランのザリーフ外相は21日、およそ1時間にわたって会談しました。
協議の具体的なやり取りは明らかになっていませんが、両者は、イスラム過激派組織「イスラム国」への対応について意見を交わしたということで、アメリカはイラン側に、イスラム過激派組織に対する国際的な包囲網の構築について協力を求めたものとみられます。アメリカとイランはイランの核開発問題などを巡って鋭く対立してきましたが、スンニ派の過激派組織「イスラム国」への対応について、警戒を強めるシーア派の大国イランとアメリカの利害が一致し、協力する可能性が指摘されていました。
アメリカ政府はこれまでも、イスラム過激派組織への対応を巡り、非公式にイランと接触してきましたが、公式の会談で意見を交わすのは初めてです。
また、会談では、今月19日に再開したイランの核開発問題を巡るイランと欧米側との協議についても意見が交わされ、協議で進展した部分と、依然、隔たりの大きな問題を確認したということです。