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アフガン新大統領就任 治安改善目指す NHKニュース

ガニ氏の大統領就任式は首都カブールの大統領府で29日行われ、式には混乱が続いた大統領選挙で対立候補だった元外相のアブドラ氏も出席しました。
アブドラ氏は選挙の混乱を収拾させるため、首相に相当する新しいポストの「行政長官」に就きましたが、ガニ新大統領は就任式の演説で「われわれは権力を分け合ったのではなく責任を分担した。この挙国一致の政権は人々の夢を実現する政権だ」と述べ、民族的な支持基盤が異なるアブドラ氏と協力して国を立て直す決意を表明しました。
そのうえでガニ氏は、反政府武装勢力タリバンが攻勢を強めていることを念頭に「国に平和と繁栄をもたらすためにあらゆる努力をする。戦闘は主張の違いを解決する方法ではない」と述べ、タリバンに対話を呼びかけることで治安の改善を目指す考えを示しました。
しかし、29日も就任式の前にカブールの空港近くで爆発物が爆発し、子ども2人を含む市民4人が死亡する事件があり、タリバンが犯行を認めていて治安の悪化に歯止めがかかっていません。
前のカルザイ政権ではタリバンとの和平交渉は実現しておらず、ガニ新政権が対話を通して治安の改善を実現できるのか手腕が問われることになります。

新政権にとって、最大の課題は治安です。
アフガニスタンでは、2001年のアメリカなどによる軍事作戦で当時のタリバン政権が崩壊したあと、アメリカ軍を中心とした国際部隊が治安の維持に当たってきました。
しかし、タリバンは反政府武装勢力として息を吹き返し、各地で攻勢を強めています。
国連によりますと、ことし6月までの半年間でテロや戦闘に巻き込まれて死亡した民間人は1564人に上り、去年の同じ時期に比べて17%増えています。
国際部隊はことし末までに戦闘任務を終え、地元の治安部隊の訓練などを行う一部の部隊を残して大部分が撤退する予定で、最大で15万人規模だった国際部隊は、現在、4万人余りにまで減っています。
またアメリカ軍は再来年、2016年末までに完全撤退する方針です。
ただ、アフガニスタンの軍や警察は十分な訓練が行き届いているとは言えず、アメリカ軍の撤退後、イスラム過激派の台頭を招いたイラクの二の舞になりかねないとの指摘もあり、新政権が治安の改善を図れるのか懸念が高まっています。
またタリバンの資金源となっている麻薬の原料となるケシの栽培面積は、去年、統計を取り始めて以来、最大となっていて、対策が急がれています。
経済や財政状況の改善も大きな課題です。
アフガニスタンは国家予算の半分以上を外国からの支援に頼っていて、最大の支援国アメリカはこれまでに1040億ドル(日本円にしておよそ11兆円)に上る支援を行っています。
この支援規模は第2次世界大戦後、ヨーロッパ諸国の復興のために行った「マーシャル・プラン」を上回る規模となっています。
また日本の支援もこれまでに54億ドル(およそ5800億円)に上っています。
しかし今後、国際社会の支援が減って、治安部隊への給与の支払いなどを含め、国家財政に支障が出てくるのではないかとの指摘も出ています。
また選挙の混乱が長引いたことで、投資が減少するなど経済状況は悪化していて、アフガニスタン工業協会によりますと、この半年間で全国の工場のおよそ6分の1が操業の停止に追い込まれたということです。
さらに農業をはじめとした地方の復興の遅れも深刻で、新政権には経済の立て直しが求められています。
汚職の根絶も課題の1つです。
世界の汚職や腐敗を監視しているNGOによりますと、アフガニスタン汚職のひどさを示す指数は去年、調査対象の177の国と地域の間で最下位となっています。
これまで国際部隊も軍や警察を対象に研修を開くなどして汚職対策を行ってきましたが、十分な効果が上がっていないのが実情です。
汚職のまん延は国際社会からの支援の継続にも影響を与えかねず、新政権には抜本的な改革が求められています。

U.S. may keep secret prisoners in custody after Afghan war exit | Reuters