典子さまは2日午前9時半すぎ、お住まいのある赤坂御用地を出発されました。
皇族の結婚に伴う重要な儀式として、車列には皇宮警察のサイドカーも加わり、典子さまは乾門から皇居に入られました。
そして午前10時に、母親の高円宮妃の久子さまや妹の絢子さまなど6人の皇族方が参列するなか、宮中三殿に皇族として最後となるお参りをされました。
「小袿(こうちぎ)」に「長袴」という平安朝ゆかりの装束に「おすべらかし」と呼ばれる髪型の典子さまは、扇を手に、まず宮中三殿の中央にある賢所に向かわれました。
そして賢所の正面に座り、一礼してから中に入って拝礼されました。
続いて、皇室の祖先を祭る皇霊殿、さらに国内の神々を祭っている神殿にそれぞれ拝礼されました。
午後からは、典子さまが天皇皇后両陛下にお別れのあいさつをされる「朝見の儀」が、皇居宮殿の「松の間」で行われます。
典子さまは、淡いピンク色のロングドレスに勲章を付けて、皇居・宮殿の「松の間」で「朝見の儀」に臨まれました。
典子さまは、まず、天皇陛下の前に進み出て一礼し、「今日までの長い間、深いご慈愛をもってお導き下さりましたことを謹んで御礼申し上げます」と述べられました。
これを受けて天皇陛下は「このたびはおめでとう。今後とも二人で愛をはぐくみ、よい家庭を築いていくよう願っています。二人の末永い幸せを祈ります」とはなむけのことばを贈られました。
続いて典子さまが皇后さまの前に進み出てお礼を述べられると、皇后さまは「互いに敬い合って、むつまじい家庭を築き、ともによき社会人として過ごしていかれますように、お二人の健康と幾久しいお幸せを祈ります」と述べられました。
このあと黒豆と日本酒、それにみりんを煮詰めた九年酒と呼ばれる酒が杯に注がれ、両陛下と典子さまが別れの杯を交わされました。
そして、ごはんやかまぼこ、それに塩ゆでしたえびなどが盛られたお祝いのお膳に両陛下と典子さまがはしを付けるしぐさをされ、儀式が終わりました。
典子さまが皇族として皇居を訪ねるのは2日が最後で、宮殿の前では宮内庁の職員や皇宮警察の護衛官らおよそ600人が整列して典子さまを見送り、典子さまは職員らの拍手に繰り返しおじぎをして応えられていました。
典子さまは結婚式前日の4日、お住まいを後にして、式が行われる出雲市に向かわれることになっています。