グロース氏に秘伝あったか、振り返れば史上最高の債券投資環境 - Bloomberg
これほど安定的に市場平均並みを上回る成績を上げる運用者は希少だ。しかしながらグロース氏の栄光の年月は、債券投資家にとって史上最高と言えるような時期と一致していた。1987年のトータル・リターン・ファンドの運用開始以降、債券相場はほぼ一本調子に上昇し、債券に投資していれば総じて利益を上げられた。グロース氏はリスクの高い債券に投資して利益を高めた。
債券にとって不安定な環境でグロース氏がどんな成績を上げるかは不透明だ。同氏がPIMCOで活躍していた間、金利が持続的かつ大幅に上昇した期間は1993−94年と98−2000年の2回だけだ。いずれの時期もトータル・リターン・ファンドの成績は指数並みか指数以下だった。
市場とグロース氏の将来に何が待ち受けているかは誰にも分からない。
運用資金規模がこれまでより小さくなることで、同氏はもっと機動的になれるだろう。PIMCOの元同僚らと競争することになるため、戦術面で有利かもしれない。しかし問題は、これらの優位性で債券市場の構造変化による影響を打ち消せるかだ。連邦公開市場委員会(FOMC)はある時点で利上げを行うと明言しているし、退職する米国民は増える。秘伝と思われたグロース氏の投資技は、今までほど役に立たないかもしれない。
Bill Gross's Investing Secret: A Rising Market and Extra Risk - Businessweek
PIMCOアイバシン氏はチームワーク重視-グロース氏と対極 - Bloomberg
アイバシン氏は1998年にPIMCOに加わった。入社後数週間の間に相場の大幅な変動に遭遇、早い時期に教訓を得ている。シカゴ大学の経営学修士(MBA)を取得して新卒社員として入社した同氏は新人研修を控えていた。そのころ、ヘッジファンドのロング・ター ム・キャピタル・マネジメント(LTCM)が事実上破綻し、金融市場はほぼパニック状態に陥った。
今週、本社から電話取材に応じたアイバシン氏は「PIMCOでの私のキャリアは興味深い多くの市場の出来事とともに始まった」と振り返った。
マサチューセッツ州オックスフォード出身のアイバシン氏は親しみやすくて物静かだ。人前に出ることが多く、変わり者で知られるグロース氏とは多く点で対極にある。仕事ではチームワークを重視する。
グロース氏(70)は2013年4月の書簡で投資家としての自分の強みに言及したが、アイバシン氏は自らの長所は他の運用担当者とのやり取りを通じて投資に関するさまざまなアイデアを得ることだとしている。グロース氏は定期的に全国テレビに出演したが、アイバシン氏は運用により集中すると話している。
Ivascyn Faces $23.5 Billion Headache as Investors Redeem - Bloomberg