IMFは、8日、世界の金融システムに関する最新の報告を公表し、6年前の金融危機の後からアメリカをはじめとした先進各国が続けている金融緩和の影響について分析しました。
この中で、金融緩和によって金利が極めて低い状態が長期化するなかで、市場にあふれた大量のマネーを、少しでも有利な条件で運用しようと信用力の低い企業の高利回りの社債などリスクの高い投資に向かっていると指摘しました。IMFは、今後、アメリカが今の金融緩和を転換して利上げに踏み切り、緩和マネーの流れが変わることなどで、世界規模で市場が混乱し、金融システム不安につながるおそれを注視するよう提言しました。
さらに、IMFは、金融危機の再発防止のため銀行に対する規制が強化されるなか、規制に入らないノンバンクや投資ファンドなどのいわゆる「シャドーバンキング」を通じた取り引きが先進国や中国で拡大し、特にアメリカでは、通常の銀行の2倍近くまでその規模が膨らんでいるなどと指摘し、監督や規制の仕組みを整える必要があるとしています。