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日銀はメンツ捨て「勝ち逃げ」、年内に緩和縮小表明を−早川氏 - Bloomberg

むしろ、ここに来てはっきりしたのは「基調的な成長率、いわゆる潜在成長率の低さだ」と言う。日銀は31日の経済・物価情勢の展望(展望リポート)で実質成長率と消費者物価の見通しを示す。民間の2014年度成長率見通しは0.3%台に低下している。早川氏は「普通に考えれば日銀も1.0%の従来見通しを0.5%くらいまで下げるだろう」とみる。

早川氏が物価の基調を測る上で最近注目しているのが単位労働コスト(ULC)だ。GDP1単位を生産するのにどれだけ人件費がかかったかを示す指標で、4−6月は前年比1.7%上昇した。同期の実質GDPが0.1%減少したのに対し雇用者報酬は1.6%増加した。早川氏によると、そのうち労働人口と賃金の伸びは0.8%ずつくらいだと言う。

要するに、「全く成長していないのに労働投入が増えている。生産性が下がっているにもかかわらず名目賃金は上がっているので、ULCが上がっている。これはどう見ても潜在成長率の低下以外の何ものでもない」という。7−9月もULCは「4−6月より高まる可能性があり、基調的にかなり強いと考えざるを得ない」という。


人件費が前年比1.7%上がっている時に、企業は売値を1.7%上げれば利益率を維持できるので、最低でもそれくらい上げたいという事情がある。早川氏は「そう考えると、ULCが半年以上1.5%を上回る水準で走り続けるので、CPIが足元で一瞬1%を割れたとしても、先行き1%台を十分維持できると考えるべきだ」と語る。


したがって、日銀が展望リポートで示す日本経済の姿は「成長率をうんと下げて、物価はほとんど動かないという形になる可能性が高い。これによって、デフレを脱却すれば成長率も上がるというのは大うそだということが明確に証明される」と早川氏は語る。

日銀は13年4月4日、消費者物価の前年比上昇率2%の物価安定の目標を「2年程度の期間を念頭に置いて」できるだけ早期に実現すると表明。マネタリーベース残高や長期国債保有額を2年で2倍に増やす量的・質的金融緩和を導入した。


早川氏は「確かに、長い目で見れば物価は1%より2%の方がいいし、日銀のメンツもあるが、それを別にすれば、2%を目指すにしても短期間で達成するメリットはあまりない。雇用が増えるわけではないし、成長率が上がるわけでもない」という。


一方でリスクは増えていく。「毎月7兆円の長期国債を買い続けていることで日銀のバランスシートは膨らみ、どこかで大損をするリスクはほぼ必然だ。事実上マネタイゼーションをやっているので、市場もいつ反乱を起こすか分からない。深追いして良いことはない」と指摘。


「今はルーレットで勝ってはいるが、掛け金をどんどんつぎ込んでいる状態に近いので、最後に負けたら全てがパーになる。勝っているうちに掛け金を減らし、最後は勝ち逃げするのがルーレットの技だ。太平洋戦争もパールハーバーで止めとけばよかったのに、ミッドウェーでぼろ負けした後もズルズル続けたのであんなことになった」と語る。

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