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言論抑圧―矢内原事件の構図 - Uehara-monologue

これまでの歴史叙述はいずれも、「大学の自治に対する弾圧」「キリスト者としての矢内原個人の闘争」「東京帝大経済学部内における権力闘争」「右翼勢力からの言論攻撃」といった個々の側面に単純化してこの事件を捉えてきたと筆者は指摘する。そしてそのいずれもこの事件の全貌を描き出すには不十分であり、この事件を取り巻く個々のアクターの立場や思考を当時のままに細密に叙述する「マイクロヒストリー」の手法を用いることで、多様な側面の相互関係を描き出すことの重要性を強調している。

筆者のそもそもの専門はヨーロッパ政治思想史である。また博士論文においては14世紀のフランチェスコ会ウィリアム・オッカムの異端的教皇への抵抗の理論を研究している。日本や欧州といった空間的な制約を離れたとき、筆者の中で通底するテーマは「暴政への抵抗思想」である。本書以前の筆者の研究は抵抗思想の理論的側面を捉えたものが中心であったが、本書において筆者は「理論としてわかっていても現実に実践するのは難しい不正な政治への抵抗の実態」を矢内原事件を通じて考察することで、政治思想史学者としての現実へのコミットメントを果たそうとしたと振り返っている。

本書に詳述されている矢内原事件の全貌は、マイクロヒストリーという形での重層的な歴史叙述を通じて現れた複雑な構図である。そこには最高の責めを負うべき唯一の責任者」は存在しない。それぞれがそれぞれの意思を持って行動し、それが形作る何か(あえて「空気」とは言わない)が「矢内原辞職」という帰結をもたらしたのである。descriptionとしての歴史が果たすことが出来るのは、こういう複雑な構図をありのままに世に問うていくことなのではないかと感じる。

異端論の脱法学化 将基面「ウィリアム・オッカムと中世ヨーロッパにおける異端の概念」 - オシテオサレテ

 ウィリアム・オッカムが異端理論にもたらした革新を論じた論考です。13世紀の初頭から教会は異端の摘発を強化しはじめます。従来の弾劾主義にかえて糾問主義を採用した異端審問制度を創設し、異端者(とみなされた者)の効率的摘発にのりだしました。この迫害圧力の高まりは大学にもおよび、神学研究が思想検閲の対象となります。とくに13世紀末からは大学内で勢力を伸ばす托鉢修道会に脅威をおぼえた教区司祭教授たちが、托鉢修道会の清貧理念の正統性に疑義を示すことにより、いわゆる「清貧論争」が起こりました。14世紀前半には教皇ヨハネス22世がフランシスコ会の清貧理念に異端宣告を下します。これに抗して逆に教皇こそ異端であるとの論陣をはったのがウィリアム・オッカムでした。この過程で彼は中世最大の異端理論書を著します。

矢内原忠雄 - Wikipedia

旧制第一高等学校に在学中、無教会主義者内村鑑三が主催していた聖書研究会に入門を許され、キリスト教への信仰を深めていった。

父神の権威を背景にしたアマテラスによる代理支配という構図があって、これが「空気」の正体。


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