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米国の名門大学の卒業講演に学ぶ、ビジネスの知恵 | HBR.ORG翻訳リーダーシップ記事|DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー

計画を立てることに固執してはいけない。どの道、その計画は修正することになるから


●スーザン・ウォジスキ(ユーチューブCEO) ジョンズ・ホプキンス大学での講演


「もう1つ覚えておくべきなのは、『計画は破られるためにある』ということです。自分が楽しんでいることや発見したことについて、掘り下げてみて決断を下すために多少の準備は必要です。しかし私が皆さんの年頃に立てた計画に固執していたら、これまで経験してきたどんな出来事も味わえなかったでしょう。テクノロジーとは創造性に富むものであると気づくことすらなかったでしょうし、テクノロジー業界でキャリアを歩み始め、グーグルやユーチューブに加わることもなかったでしょう。私が大学を卒業した時、インターネットは今日のような形では存在していませんでしたから。私たちはペンではなく鉛筆書きで、計画を考えるべきなのです」

●ジャネット・イエレン(アメリ連邦準備制度理事会議長) ニューヨーク大学での講演


「成功は主に"能力"と呼ばれるもの次第で決まるという、残念な神話があります。しかし研究によれば、能力をいくらうまく測定できたとしても、それは学業や仕事の成果を約束するわけではありません。心理学者のアンジェラ・リー・ダックワースによれば、本当に成功に欠かせないものは、彼女が言うところの"不屈の精神"(grit)という資質です。つまり長期的な目標に向かって、揺るぎない責任感を持って力を尽くし、その合間に訪れる挫折にも耐えることです。


 不屈の精神について私が特に重要だと考える要素は、必要であれば毅然として反論することも辞さない覚悟です。そんな状況は頻繁には起こらないかもしれません。しかしだれの人生にも、自分が信じることのために立ち上がる勇気を持つことがとても重要になる、決定的な瞬間があります。


 私の前任者であるベン・バーナンキ氏は、特に金融危機の脅威に対応するなかでそんな勇気を発揮しました。金融システムを安定させ経済成長を回復させるために、前例のない大胆さと規模で勇気ある行動を取ったのです。絶え間なく批判にさらされ、脅迫も受けました。対応を間違えれば後世の歴史に厳しい審判を下されることも明らかでした。しかしバーナンキ氏は、みずからが正しいと信じ必要だと信じるもののために立ち向かいました。議長という職責をまっとうするうえで、彼の知性と知識はたしかに役立ったことでしょう。しかし彼の不屈の精神、そして毅然として立ち向かう覚悟も同じくらい重要だったのです。皆さんがあれほど大きな困難に直面しないことを願うばかりです。とはいえ、自分が信じるもののために立ち上がることで物事が大きく変わる、そんな人生の局面が必ずやって来るはずです」