西アフリカを中心に感染が広がっているエボラ出血熱について、WHOは、22日、感染やその疑いのある人が9936人となり、このうち4877人が死亡したと発表しました。
WHOは、ナイジェリアとセネガルについては、患者と接触した人の追跡調査を徹底するなどの対策が功を奏したとして、今月20日までに感染の終息を宣言しました。
しかし、流行の中心地であるリベリアとシエラレオネ、ギニアでは感染拡大が深刻な状況が続き、特にリベリアとシエラレオネでは、国のほぼ全域に感染が広がっているとしています。
エボラ出血熱の感染者の数は、このところ毎週、およそ1000人ずつ増えており、今週中に1万人を超えるとみられています。
エボラウイルスの感染を巡ってはWHO=世界保健機関が、ナイジェリアやセネガルで拡大が終息したと発表する一方、リベリアとシエラレオネ、ギニアの3か国では深刻な状況が続いています。
アメリカでもエボラウイルスの二次感染が確認され、オバマ大統領は、22日、エボラ出血熱の対策責任者に新たに任命したロン・クレイン氏を、ホワイトハウスに呼び最新情勢について説明を受けました。
このあと、オバマ大統領は記者団に対して、CDC=疾病対策センターが、西アフリカの3か国からの渡航者に対して、入国後3週間、毎日、体温を測って州当局に報告するよう求める、新しい対策を始めるなど、多くの対策を実施してきたと強調しました。
そして「慎重ではあるが、アメリカ国内では、より楽観的な状況となっている。感染拡大を防ぐために、今後も新たな対策を取っていく」と述べました。
エボラ出血熱の対策を巡っては、オバマ政権の対応が後手に回っているとして、野党・共和党が批判を強めるなか、来月4日に行われる議会の中間選挙で、争点の1つにも浮上しており、オバマ大統領には、国民の間に広がる不安を払拭(ふっしょく)するねらいがあるとみられます。