ベーコンによれば、一般論から個々の結論を引き出すアリストテレスの論理学はかえって飛躍をまねきやすいのであり、知識とはむしろ、つねに経験からスタートし、慎重で段階的な論理的過程をたどることによって得られるものであった。
以上のように、観察と実験の重要性を説いたベーコンであったが、その一方で実験・観察には誤解や先入観、あるいは偏見がつきまとうことも否定できないことを指摘した。このような、人間が錯誤に陥りやすい要因を分析し、あらかじめ錯誤をおかさないように理論を確立した。これがイドラ論である。
ベーコンは、一面では、帰納法や人間の認識には限界があることを示したのであった。
経験論と合理論を統合する
また、その実現は個人的な才能によって担われるのではなく、人類の共同作業によって営まれるべきと考え、国家は科学研究を支援し、研究所や図書館など研究に必要な施設や研究者養成のための機関の設立を説いた。
http://d.hatena.ne.jp/d1021/20140116#1389870194
http://d.hatena.ne.jp/d1021/20131122#1385117663
http://d.hatena.ne.jp/d1021/20130524#1369402427
http://d.hatena.ne.jp/d1021/20120505#1336222824