そして翌大正10年の元旦、
自分の覚悟を「座右の銘」として、
実に1メートル60センチにもなる
巻物に毛筆で認めました。
「常に人たることを忘るること勿(なか)れ。
他の風俗に倣(なら)うの要なし。
人格をはなれて人なし。
ただ人格のみ、永久の生命を有す。
常に高く遠き処に着目せよ。
汝(なんじ)若(も)し常に小なる自己一身の利害、
目前の小成にのみ心を用いなば、
必ずや困難失敗にあいて失望することあらん。
然(しか)れども汝もし常に真によく真理を愛し、
学界進歩のため、人類幸福のため、
全く小我を捨ててあくまでも奮闘し、
努力するの勇を有さば、
如何なる艱難(かんなん)も如何なる窮乏(きゅうぼう)も
汝をして失望せしむるがごときなからん。
真の大業、真に生命ある事業は
ここに至って初めて正しき
出発点を見出したりというべし。
進むべき 道は一筋 世のために
いそぐべからず 誤魔かすべからず(後略)」
平澤先生はこの巻物を持って
京都・八坂神社にお詣りし、
生涯学問の道に生きることを誓いました。
- 作者: 平澤興
- 出版社/メーカー: 新潟日報事業社
- 発売日: 2010/08/20
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「勉強することの本当の意味は、人に勝つことではなく、天から
与えられた能力をどこまで発揮させるかにある。
人間として、やればやれる、だせばだせる力を出し切ることだ。
自分だけがよくなるための努力ではなく、人のため社会のための努力を
しよう。これが自分が命をかけて守ってきた努力の本当の意味である。」
- 作者: 平沢興
- 出版社/メーカー: 致知出版社
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「生きるかぎり成長することです。それは、あらゆるものに手を合わせて、拝んでゆくことです。」
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