ノーベル物理学賞を受賞する理由となった青色LEDの開発を巡っては、中村さんが、当時、勤めていた徳島県の日亜化学工業に対して発明の報酬を求める裁判を起こし、会社側が総額8億4000万円余りを支払うことで和解に至っています。
中村さんは3日、文化勲章の親授式のあと記者会見を開き、「皆さんがご存じのように、裁判によって日亜とは関係が悪い状態だが、できれば関係の改善を図りたい。社長と会うことができれば、過去のことはお互い忘れましょうと直接伝えたい」と現在の気持ちを明らかにしました。
そのうえで、「もし、日亜化学工業との関係が改善できれば、私の所属するカリフォルニア大学と共同研究をしていきたい」という考えを示しました。
そうした思いに至った理由について、中村さんは、当時、共に研究を進めてきた日亜化学工業の6人の部下の名前を挙げ、「彼らと一緒に、極めて明るい青色LEDを開発した。私がノーベル賞や文化勲章を受けるのは、日亜が率先してLEDを世界に普及させたためで、この6人を含め、日亜の全社員に感謝しているからだ」と述べました。
また、会見では、ノーベル賞の受賞で得られる賞金について、半額を自分の出身校である徳島大学に寄付したいという考えもあわせて示しました。