中国の習近平国家主席は8日、バングラデシュやタジキスタンなどアジアの7か国の首脳や国際機関の代表らが出席した会議で、「シルクロード基金」と名付けた中国独自の基金を設立し、400億ドル(日本円でおよそ4兆6000億円)を出資すると発表しました。新たな基金は、シルクロードとゆかりの深い中央アジアのほか、南シナ海やインド洋に面した国々を中心に鉄道や道路などのインフラ整備を支援するために設けられ、今後、ほかの投資家からの出資も呼びかけるとしています。
中国は先月にも、みずからが提唱する国際金融機関の「アジアインフラ投資銀行」の設立に向けて、11兆円余りの資本金のうち半分までを拠出する方針を示しています。今回、中国が巨額の資金をさらに投じて新たな基金を設立することは、途上国の経済発展を金融面から支援することでアジア各国での影響力を一段と強めるとともに中国企業のインフラ輸出を後押しするねらいもあるものとみられます。