中国国営の新華社通信によりますと、習近平国家主席は11日、APECの首脳会議に出席したフィリピンのアキノ大統領と短い時間、ことばを交わしました。
この中で習主席は、南シナ海の領有権問題を巡って「両国は深刻な困難に直面している」と指摘する一方、「国交開始以来、両国は関係を良好に発展させ、意見が一致しない問題においても一定の共通認識を形成してきた」と述べました。
そのうえで「フィリピンはこれまでの共通認識に立ち返り建設的に問題を処理してほしい」と述べ、冷え込んだ関係の改善を呼びかけました。
これに対しアキノ大統領も「両国関係を改善し発展させていきたい」と応じたということです。
南シナ海の領有権問題を巡っては、ベトナムがことし8月、中国との間で争いを拡大させない方針を確認し、今回のAPECの期間中、習主席はベトナムのチュオン・タン・サン国家主席と首脳会談を行いました。
中国としては、ベトナムとの関係改善をてこにフィリピンにも問題の早期解決を促していくねらいがあるとみられます。