この事件は、ことし7月、オランダからマレーシアに向かっていたマレーシア航空の旅客機がウクライナ東部の上空で撃墜され、乗客乗員298人全員が死亡したものです。
墜落現場を掌握する親ロシア派組織「ドネツク人民共和国」は、原因の究明に当たっているオランダの安全委員会と、今月16日から機体の回収作業を続けてきましたが、21日に作業が終了したことを明らかにしました。
回収された機体の破片は、すでに11両の貨車に積み込まれたということで、このあとウクライナ政府側が掌握する町ハリコフへ運ばれ、そこからオランダへ送られる見通しです。
撃墜事件を巡っては、ロシアで航空機事故の調査などを担当する航空庁の幹部が21日、オランダの調査委員会にロシア側の資料を送る用意があると述べています。
しかし、欧米とウクライナ政府が、親ロシア派が地対空ミサイルで撃墜したとの見方を示しているのに対して、親ロシア派の後ろ盾となっているロシアは、ウクライナ軍の軍用機が撃ち落とした可能性が高いとしており、原因を巡る双方の立場は大きく隔たったままです。