スウェーデンのストックホルム市内の大学で開かれた8日の講演は、「ノーベルレクチャー」とも呼ばれ、その年の受賞者が、研究の意義や思いなどを一般の人に向けて話す、恒例の催しです。
ことしのノーベル物理学賞を受賞する名城大学教授の赤崎勇さん、名古屋大学大学院教授の天野浩さん、カリフォルニア大学教授の中村修二さんの3人は、10日に授賞式が行われるスウェーデンのストックホルムで、市民向けの講演を行ったあと、そろって記者会見に臨みました。
3人が共同で会見を行うのは、受賞が決まって以来、初めてです。
会見では、まず赤崎さんが「3人で受賞できてよかった。ただ、こんなにすごいものだとは想像を超えていた」と述べて、受賞の喜びを語りました。
そして、日本からノーベル賞の受賞が続くためには、「すぐに大きなプロジェクトになりそうになくても、何か予感させるようなものに対して、国が目くばせすることも必要ではないか」と研究活動への支援を求めました。
天野さんは、会見に先立って行われた講演について、「言いたいことを2、3抜かしてしまったが、無事に終わり、ほっとしている」と笑顔を見せました。
そして、日本では女性研究者が少なすぎると述べたうえで、「機会があれば少しでも改善できるように働きかけていきたい」と述べ、後進の育成にも力を注ぐ考えを示しました。
中村さんは「毎日の行事をこなすのが精いっぱいで、受賞を祝うという実感がない。早くふつうの生活に戻りたいというのが本音です」と述べたうえで、「今のペースで研究を続けたい。やり遂げることが自分の使命だ」と述べ、研究への変わらぬ熱意を強調していました。