これは、スイスやフランス、アメリカなどの研究チームが、アメリカの科学雑誌「サイエンス」に発表したものです。
それによりますと、ESAの無人のすい星探査機「ロゼッタ」がことし8月、すい星の中心から100キロほどに近づいた所で、特殊な観測装置を使って水分の分析を行った結果、水素の仲間の「重水素」の割合が地球の海水と比べておよそ3倍高く、その特徴が大きく異なることが分かったということです。
地球の水を巡っては、すい星か小惑星のどちらが起源なのか、長く議論が続いていますが、研究チームは、ほかのすい星の観測結果も踏まえると、地球の水の起源はすい星よりも小惑星にある可能性が高いと指摘しており、注目を集めています。
ESAの無人のすい星探査機「ロゼッタ」は、打ち上げからおよそ10年かけて目標のすい星に到達し、先月にはロゼッタから放たれた小型探査機「フィラエ」が世界で初めてすい星への着陸に成功して、表面の物質に関するデータを収集し、分析を進めています。
また、今月打ち上げられた日本の小惑星探査機「はやぶさ2」が目指す小惑星には、水や有機物が含まれているとみられており、いずれも太陽系や地球の成り立ちを巡り謎の解明につながるか、関心が高まっています。