香港では、民主的な選挙の実現を求める学生や市民が2か月以上にわたって中心部の幹線道路に座り込む抗議活動を続けてきました。しかし、最大の拠点だった政府庁舎前の道路で11日、数千人の警察官によってテントやバリケードが撤去されたうえに学生らは立ち退かされ、学生団体の代表など240人以上が逮捕されました。
警察の幹部は11日夜、「撤去は順調に行われた」と評価したうえで、学生たちがまだ座り込みを行っているもう1か所の道路でもバリケードなどを撤去する方針を改めて示しました。
11日の撤去で大規模な座り込みは収束に向かうとみられますが、学生団体の周永康代表は11日夜、「さまざまな形で抗議活動を続ける」と述べ、今後も選挙改革に関する中国の決定の撤回を求めていく考えを示しました。
学生たちの間では、香港に対する中国の影響力が強まっていることで高度な自治を認めた「1国2制度」が脅かされているという強い不満があり、今後も選挙制度や香港と中国との関係を巡って攻防が続きそうです。