https://d1021.hatenadiary.com
http://d1021.hatenablog.com

山中俊治

「一箱分しか本は持たない。」田川欣哉君。BRUTUS 今号「読書入門」特集より。


田川欣哉

今週発売のBRUTUSの特集は年末恒例の「読書入門」。僕もP.30-31で「1箱分しか本は持たない」という自分の読書術を紹介させて頂きました!http://buff.ly/1AaLTs8

takram 田川欣哉に学ぶ、《デザインエンジニア》の仕事と思想。[前編] | CAREER HACK

― 田川さんがデザインとエンジニアリングの両方を一人でやろうと思い立ったのは?


大学時代ですね。昔から「ものを作る仕事がしたい」と考えていて、大学では工学部の機械科に進んだんです。機械工学って非常にベーシックな学問だから、モノづくりの基本を学ぶには一番いいだろうと。工学部に行けば、自分で発想したものを自分で具現化して世に問うていくことができると思っていました。


でも、あるメーカーでインターンをした時に現実はそうじゃないんだと気づきました。まず企業のものづくりの現場にはデザイナーやマーケッター、プランナーが必ずいて、そのチームの一員としてエンジニアがいる。それでモノやサービスの根っこの部分を考えているのは、実はプランナーとかマーケッターだったりする。ユーザーとはなんだろうかとか、モノがどういう風に社会で機能していくんだろうかといった、モノの抽象レベルでの価値についてはエンジニアよりもデザイナーのほうに発言権があったりする。


エンジニアがやれる領域とやれない領域が存在していて、やれない領域については自分の知らなかった職種の人たちが活躍してるという事実に、すごくショックを受けたんですね。そこから「自分で考えて自分で作る」職業に就くためにはどうすればいいか考え、試しにデザインのことも勉強してみようかなと思ったんです。


それでイギリスの大学院に留学してプロダクトデザインを学びました。デザインとエンジニアリングというをかけ持つ方法を一回突き詰めてやってみようと。以来、ずっとその立ち位置で仕事をやっている感じです。


仕事をするうちに分かってきたのは、どうもイノベーションが起こっている現場では「テクノロジー」「クリエイティビティ」「ビジネス」の3つが有機的に連動しながら、物事が動いている。そういうところに身を置いてやっている人たちは、楽しそうに仕事をしている。シリコンバレーがそうであるように、面白い仕事をやっているところには大体その3要素が揃っているようで、僕らの向かっている方向も間違ってはいないんじゃないかと思っています。

― デザインエンジニア的な仕事をしようと思ったら、まず何から始めればいいのでしょうか?


まずは自分の職域とは違う領域でモノを考えられるようになること。エンジニアだったらデザイン的な視点、デザイナーだったらエンジニアリング的な視点を身につけることから始まると思います。その上で、もし可能であればちょっと時間はかかるかもしれないけど、自分で手を動かして何かをつくってみる。そこまでやってみたら、仕事における行動原理が変わってくると思います。

デザインとエンジニアリングの垣根を壊したい[田川欣哉] | ISSUES | WORKSIGHT

ただ、会社の幹の部分―-何をするための会社かという理念は最初から変わっていません。デザインとエンジニアリングは、一般的な企業では理工系と芸術系のようにしっかりと部門に分かれていることが多いんです。でも、どちらか一方だけだと一体感のあるモノづくりは難しい。takramは、その部分に問題意識を持って、デザインとエンジニアリングの垣根を壊していこうという人たちが集まっている会社です。


最近は、文系との垣根を超えていくということも新しいテーマとして加わってきました。モノづくりには、クリエイティブ(デザイン)とテクノロジー(エンジニアリング)という2つの軸があります。その周辺に、経営や企画、マーケティング、営業などがある。こうした職種は、モノづくり現場とは直接関係がないと思われがちです。しかし、このような職種の人達もきちんと設計やデザインの話に巻き込んでいかなければ、結局は良いモノはできないと思っています。

takramに在籍しているメンバーには、共通点があります。それは、分業に対する問題意識を持っているということ。特に、モノづくりの現場って、分業体制が所与の条件になっている場合がほとんどです。本来、「どういう製品やサービスをつくるか」「いかに効率的につくるか」というテーマがまずあって、それを実現するための構造として分業が導き出されたのだと思うですが、今はどちらかというと、分業の構造が先にあって、そこから製品やサービスが成り行きで生み出されている気がします。

ビジネスを効率的に進めたいなら、人材の機能はある程度固定した方がよいでしょう。各人は専門を突き詰める。会社は専門性を類型化して役割を決める。役割を集約して部門化する。異なる役割を組み合わせてチームを作る。部門を徐々に大きくしていく。このような方法論が一般的だし、人材の置き換えもきくし、仕事が増えたときの調整もきくでしょう。やればやるほどスピードが上がり、経験が蓄積されていくので、数字だけで見ていくと、効率的になっていきます。


ただ、それがクリエイターにとって良い状況かというと疑問が残ります。クリエイターが、同じような作業を繰り返し続けていると、そのうちクリエイティビティが摩滅してくんですね。そういう問題意識もあって、takramでは、できるだけその一人ひとりの役割が一本化しないように気をつけています。

タクラム、デザインとエンジニアリングを行き交う。|エキサイトイズム

僕は学生時代に、ある大きな日本の電機メーカーでインターンとして働いていたことがあるんですが、以前から「将来はデザインもエンジニアリングも両方やってみたい」と思い描いていました。ところがある日、会社の人事部の方に「両方できるポジションはあるんですか」と尋ねたところ「悪いこと言わないからエンジニアになっておきなさい。君は工学部だしね」と言われたんですよ。僕にはその「どちらかを選ぶ」というのがしっくり来なくて。

山中さんの家に数年下宿させていただいたこともあるんですよ(笑)。ある意味、弟子入りしたような感じでしたね。

畑中
スタンフォードは非常に面白いところで、実践的な授業が盛んでした。たとえば、工学部の学生とビジネススクールの学生がチームになって、与えられたテーマを元に商品開発からマーケットリサーチ、プロトタイプの制作、実際の販売シミュレーションまでを行うようなプロジェクトベースの授業をたくさんやっていました。僕はなにせ欲張りなので、そういう横断的なプロジェクトがすごく楽しくて。今のようにデザイナーとエンジニアの二股をかけたような仕事をしているのも、その延長線上ではないかと思っています。

中心空間“コア”によりパブリック/プライベートを流動化させるtakramのオフィス

「社外の人が気軽に立ち寄ってくれるオフィスにしたいと思って、駅から近いこの場所を選んだんです」

「以前のオフィスはパブリックとプライベートをくっきり分け、社外の人に入っていただけるのはミーティングスペースまで。そこから先は会社のプライベートスペースで、外から中の様子は全く見えませんでした。守秘義務のある仕事が多いので、それはそれで使い勝手は良かったのですが」。

「ビジョンを先に決めるまでは、あらゆる可能性をテーブルの上にのせて、それを皆が本当に共有できるかどうかを取捨選択していく感じでした。空間の形や具体的な使い方を話すようになったのは後半です。そして、話し合いを重ねるうちに、田川さんが言わなくても大きなジャッジは皆から自然に発生するような、全員ですでに共有し始めていることが本流になっていくような、そんな空気が醸成されていきました。今思えば、takramの日頃のプロジェクトの進め方が、このオフィスの設計プロセスにも表れていたような気がします」と高塚さん。


「最初から正解を求めようとする、あるいは、ゴールをイメージしてプロジェクトを進めていくカルチャーが僕たちには全くないんです」と田川さんが続ける。「どの仕事に対しても基本はいつも手探りです。『これをつくるべきだ』という明確な目的が初めにあると、本当にそれでいいのかなと逆に疑ってしまう。テーマそのものもリセットできる状態にあるほうがいいと思っています。こういうアプローチは一見、効率が悪く思えるかもしれませんが、頼んでくださる側もゴールがいまいちわからないことは往々にしてあるもの。僕たちのクライアントからのリピート率が高いのは、『takramとなら、ゼロの状態から手探りで、面白いものを一緒につくり出せる』と感じていただけているからなのでは、と思っています」。

takramでは毎日15時からの30分弱、社員の交流を図る「お茶の時間」を設けている。その場所はコアだ。また、ゲストを招いてトークセッションを行う「アカデミー」を3週間に一度、「ビアパーティ」を2カ月に一度開催していて、多いときは約150人が集まる。そのときはコアとパブリックの間を開放する。ビアパーティは以前のオフィスでも開催していたが、アカデミーはこの場所に移ってから始めた。いずれも参加者は、フェイスブックのコミュニティに登録している人か、takramのメンバーやメンバーの知人の招待を受けた人たちだ。「僕の知らない人もたくさん来てくれます。お客さん同士での交流も広がっているようで、出会いというのは何がきっかけになるかわからないから楽しい。スペースがあってこそできることなので、こういうオフィスにして良かったと思っています」と田川さんは語る。

「このオフィスの印象は人それぞれでしょう。軽やかだと感じる人もいれば、キリッとしていると思う人もいるはず。受け手がどういうふうにも解釈できる幅がある。それはtakramに対する正しい理解にも通じているんです」。そして、最後にこう付け加えた。「ここで働く人たち自身が、空間を通して自分たちの多様性を日々発見してくれたら嬉しいですね」。

モノづくりの問題点を 解決する新しい職能━━田川欣哉 | GQ JAPAN

会社が成長するときに最も重要なのは、その会社の商品でもサービスでもなく、組織のリーダーの人間力だ。今勢いのあるさまざまな企業のトップたちを訪ね、その哲学を読み解く。

「コンセプトやプランニングといった“抽象”と、プロトタイプによる“具体”の割合を、最初の段階から半々くらいで進めるようにしています」

「モノの新しさとは、大抵の場合、オリジナリティを意味しています。どんなクライアントにも特徴があるし、プロトタイピングを繰り返すなかで、それは自然にモノにしみ込んでいきます。だから僕らは、新しいモノを生むことに、恐怖感を抱きません」

山中俊治

機能に優れて、製造の理にかなって、このうえなく美しいものなんて、そう簡単にできるはずないんだけど、はっきりしてることは、どれをあきらめてもあかんということ。

http://d.hatena.ne.jp/d1021/20141218#1418898917
http://d.hatena.ne.jp/d1021/20141011#1413023874
http://d.hatena.ne.jp/d1021/20140528#1401274120