内戦が続くシリアを巡っては、ことし2月に国連が仲介した和平協議が成果を出せないままに終わりましたが、ロシアは、来月20日以降、アサド政権側と反政府勢力側の代表をロシアに招いて協議することを提案しています。
これについてシリアの国営通信は27日、協議に参加し、話し合う準備はできているとしてアサド政権側が協議に参加する方針だと伝えました。
一方、アサド政権と対立し、欧米などが支援する反政府勢力「シリア国民連合」のバハラ議長は27日、訪問中のエジプトでNHKなどの取材に応じ、「ロシアはアサド政権を支持し、シリアの人々を殺すための武器や資金の支援をしている。そうした行為をやめないかぎり、公正な仲介者にはなりえない」と述べ、ロシアが主催する協議に否定的な見方を示し、協議が実現するのかどうかは不透明な状況です。
シリアでは、戦闘やテロでの死者が20万人を超えたとみられるなど被害が広がり続けているうえ、イスラム過激派組織「イスラム国」が混乱に乗じて勢力を拡大し、内戦が長期化するなか、和平に向けた道のりはより一層厳しくなっています。