ロシアの裁判所は30日、プーチン大統領と政権与党への批判を繰り返してきた野党勢力の指導者で詐欺などの罪に問われていたアレクセイ・ナワリヌイ被告に、執行猶予3年、懲役3年6か月の有罪判決を言い渡しました。
ナワリヌイ氏は事件はでっち上げだとして一貫して無罪を主張し続け、判決のあと市民に抗議デモを呼びかけたところ、数百人の支持者がモスクワ中心部の広場に集まりました。
ロシア内務省によりますと、デモの参加者およそ100人が、公共の秩序を乱したとして拘束されました。
また、現地メディアによりますと、デモに参加するためナワリヌイ氏自身も広場に向かいましたが、途中で拘束され自宅に連れ戻されたということです。
通貨ルーブルの急落で政権への不満が高まるなか、ロシアの野党勢力は来月15日にもモスクワで大規模なデモを計画しており、政権側は野党勢力の結束に神経をとがらせています。
判決について、アメリカ国務省のラスキ報道部長は30日、記者会見で「憂慮すべき判決だ。ロシア政府が市民の声を弾圧している一例であることは明らかだ」と述べて、ロシア政府を批判しました。そして、「ロシア政府がメディアや市民、野党勢力などに対して規制を強めていることに懸念を抱いている」と述べ、ロシアで言論の自由などへの規制が強まっていることに懸念を示しました。