リトアニアの首都ビリニュスでは1日、年明けとともに花火が打ち上げられるなど、市民がユーロ導入を祝うなか、式典が開かれ、ブトケビチュウス首相らが銀行のATM=現金自動預け払い機から最初の10ユーロ紙幣を引き出しました。
式典には、ユーロをすでに導入しているバルト3国のエストニアやラトビアの閣僚も出席し、エストニアのロイバス首相は「3国がユーロ圏に入り、経済統合を果たしたことは、バルト諸国の勝利だ」と述べました。
これでユーロは19か国体制になりました。
旧ソビエトのリトアニアは、ヨーロッパへの統合を加速させるユーロ加盟を目指し、とくにウクライナ問題を巡ってロシアと欧米の対立が深まるなか、ロシアと距離をおく姿勢を強めていました。
リンケビチュウス外相は、「ユーロ導入は、安全保障の強化にもつながる」と述べ、人口300万のリトアニアがロシアの脅威に対抗するためにも、ヨーロッパとの結び付きを強めることが必要だと強調しました。
一方、ユーロ圏を巡っては、混迷を深めるギリシャの政局がユーロの不安定化を再び引き起こす要因になるのではとの懸念が広がっていて、市民からは物価の上昇など生活への影響に対する不安の声も聞かれました。