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東大が軍事研究解禁 軍民両用技術研究容認 政府方針に理解 - 産経ニュース

 東京大学(浜田純一総長)が禁じてきた軍事研究を解禁したことが15日、分かった。東大関係者が明らかにした。安倍晋三政権が大学の軍事研究の有効活用を目指す国家安全保障戦略閣議決定していることを踏まえ、政府から毎年800億円規模の交付金を得ている東大が方針転換した。軍事研究を禁じている他大学への運営方針にも影響を与えそうだ。


 東大は昭和34年、42年の評議会で「軍事研究はもちろん、軍事研究として疑われるものも行わない」方針を確認し、全学部で軍事研究を禁じた。さらに東大と東大職員組合が44年、軍事研究と軍からの援助禁止で合意するなど軍事忌避の体質が続いてきた。


 ところが、昨年12月に大学院の情報理工学系研究科のガイドラインを改訂し、「軍事・平和利用の両義性を深く意識し、研究を進める」と明記。軍民両用(デュアルユース)技術研究を容認した。ただ、「成果が非公開となる機密性の高い軍事研究は行わない」と歯止めもかけた。以前は「一切の例外なく、軍事研究を禁止する」としていた。


 東大などによると、評議会は審議機関で、軍事研究の是非など運営方針の決定権は総長にある。総長には審議結果に従う法的な義務はない。それにもかかわらず、東大は評議会での一部の総長らの軍事忌避に関する発言をよりどころに禁止方針を継承してきた。


 東大は解禁理由について「デュアルユース研究は各国の大学で行われている。研究成果の公開性を担保する国際的な動向に沿った形で、より丁寧な表現となるようガイドライン改訂を行った」と強調している。


 東大の軍事研究をめぐっては、昨年4月、複数の教授らが平成17年以降、米空軍傘下の団体から研究費名目などで現金を受け取っていたことが判明し、学内の独自ルールに手足を縛られてきた研究者が反旗を翻した。5月には防衛省が、不具合が起きた航空自衛隊輸送機の原因究明のため、大学院教授に調査協力を要請したが、拒否された。

東大大学院 軍事研究一定程度可能に NHKニュース

東京大学は昭和34年と42年の評議会で軍事研究は一切行わないという方針を明らかにしていて、大学院の情報理工学系研究科もガイドラインで、一切の例外なく軍事研究を禁止するとしていました。
ところが去年12月、情報理工学系研究科はこのガイドラインを改め、「軍事・平和利用の両義性を深く意識し、研究を進める」という内容に変更していたことが分かりました。
ガイドラインの中では、「成果が非公開となる機密性の高い軍事研究は行わない」と、研究の行き過ぎに歯止めをかけていますが、この研究科では今後、一定の程度、軍事研究を行えるようになります。
これについて東京大学は、「大学院の研究科がガイドラインを変更したのは事実だが、大学全体として軍事研究を解禁したわけではなく、かつての評議会の考え方を踏襲する方針に変更はない」と話しています。
これについて下村文部科学大臣閣議のあとの記者会見で、「東京大学が立場をより明確にするとの観点から、情報理工学系研究科のガイドラインを去年12月に改定したことは承知している。東京大学が自主的に判断されたことであり、文部科学省として尊重したい」と話しました。

東京大学の、軍事研究を一切行わないという方針は、学内の評議会の場でも確認されてきました。
このうち昭和34年9月の評議会では、「本学では軍事研究は一切行わない考えであり、それはまた明確な事実でもある」としたうえで、「軍事研究はもちろん、軍事研究として疑われる恐れのあるものも一切行わないということは、自主的に、かつ、良識のもとに一貫して堅持されている」としています。
また、昭和42年6月の評議会では、外国では軍関係が大学の研究に資金を出すことは、かなり広く行われているとしたうえで、「日本の特殊な理由もあるので、原則がなし崩しに侵されることは最も注意すべきであり、原則に忠実すぎるくらい潔癖な態度をとった方が望ましいと思う」としています。
そして、「学問的研究はその扱い方によって、平和利用にも軍事目的にも使用される可能性をもつものであって、最終的にはすべて研究者の学問的良心と部局の良識によって決められるべき問題である」としています。