日刊ゲンダイ|小渕氏も立件? 小沢冤罪事件“主導”した新特捜部長の過去
“ドリル優子”のケースは極めて悪質だ。問題が発覚すると、金庫番だった元秘書の折田謙一郎・前中之条町長は突然、町長職をブン投げて雲隠れ。事務所を挙げて、会計書類を保存したパソコンをドリルで徹底的に破壊した。「証拠隠滅」は明らかで、折田氏はもちろん、「知らぬ存ぜぬ」の小渕氏もおとがめナシなら法治国家じゃない。
国会開会直前の23日に特捜部長が交代することも特捜部のヤル気のなさの表れ――と捉えられているようだ。だが、新たな特捜部長はタダ者じゃない。09年から特捜部副部長として小沢一郎氏を冤罪に巻き込み、失墜させた斎藤隆博検事の就任が内定している。
斎藤検事は、小沢氏の秘書らが起訴された陸山会事件で公判担当として法廷に立ち、小沢氏が強制起訴された検察審査会の審査員向けの報告書を書いた。これは、元特捜検事の田代政弘・現弁護士がデッチ上げた捏造捜査報告書がベースで、斎藤、田代両検事はともに市民団体から偽計業務妨害で刑事告発された(12年に不起訴)。
「小沢事件の捏造捜査報告書は、当時の特捜部長はもちろん、副部長だった斎藤検事も承知していたはず。つまり、共犯関係ですよ。そんな人物が特捜部長に昇進する人事はおかしい」(元大阪高検公安部長の三井環氏)
かつて小沢強制起訴に並々ならぬ意欲を燃やしていた斎藤検事。あらゆる手を尽くして小沢氏を法廷に縛り付けた執念を今こそ発揮すべきだろう。