後藤健二さんを拘束しているイスラム過激派組織「イスラム国」とみられる組織は２７日夜、インターネット上に画像と音声を投稿し、この中で後藤さんを名乗る男性の声で２４時間以内にヨルダンで収監中のサジダ・リシャウィ死刑囚を釈放しなければ、後藤さんと、先月から「イスラム国」に拘束されているヨルダン人のパイロットを殺害するとしていました。
ヨルダンの国営テレビは２８日夜のニュースで「ヨルダンのモマニ・メディア担当相は、ヨルダン軍のパイロットが無事に解放されれば、リシャウィ死刑囚を釈放する用意があると述べた」と伝えました。
しかし、ヨルダンのジュデ外相は日本時間の２８日午後１０時半すぎ、みずからのツイッターに「リシャウィ死刑囚が釈放されヨルダンから出国したという情報は間違っている」などと投稿し、この時点でリシャウィ死刑囚を釈放していないとしています。
さらに２７日夜に画像と音声が投稿されてから２４時間が経過したあとの日本時間の２９日午前０時ごろ、ジュデ外相は再び、みずからのツイッターに「パイロットが生きているか無事かどうか情報を求めているが、返事がない」と投稿し、「イスラム国」側との交渉が難航していることをうかがわせています。
ヨルダンのジュデ外相は日本時間の２９日午前４時すぎ、アメリカＣＮＮテレビの電話インタビューに答え、ヨルダン軍のパイロットの解放に向けて、収監中のサジダ・リシャウィ死刑囚を釈放する用意があることを改めて明確にしました。
そのうえで人質の交換に向けた交渉に後藤健二さんも含まれているか、問われたのに対して、「もちろん含まれている。ただ、優先順位が高いのは私たちのパイロットの解放だ。
日本とは密に連絡を取り合っている」と述べて、交渉に後藤さんも含まれていることを示唆しました。
一方、ジュデ外相は、「２４時間の期限を過ぎたことが悪いことなのかどうかは分からない。パイロットが生きているのか、その証拠を示すよう求めているが、返答がない」とも述べ、交渉が難航していることをうかがわせました。
また、ジュデ外相は、パイロットの解放に向けた交渉については、「２週間以上前から交渉に当たってきた」と述べ、後藤さんと湯川さん２人の最初の映像が投稿された２０日より前から、「イスラム国」側と交渉に当たってきたことを強調していました。
