ロシア外務省で対日関係を担当するモルグロフ外務次官は28日、国営通信のインタビューに応じ、岸田外務大臣が今月20日に訪問先のベルギーで「ウクライナで起きていることも力による現状変更だが、北方領土問題も力による現状変更だ」と発言したことに触れました。
この中で、モルグロフ外務次官は「日本の政治家は、島々のロシアへの法的な帰属について異議を唱えている」として、北方領土はロシアの一部だと改めて主張したうえで、「よく歴史を学ぶべきだ」と述べて強く批判しました。
そして、「交渉に直接影響を与える同じような発言がされた場合、岸田外務大臣のモスクワ訪問をはじめ、今後の2国間の接触について慎重に考慮する」と述べて日本側に警告しました。
日ロ間では来月中旬に平和条約交渉を進展させるための外務次官級の協議が予定されていますが、これを前にロシア側としては、北方領土問題で日本をけん制するねらいがあるものとみられます。