久しぶりにクルツィウス『ヨーロッパ文学とラテン中世』のディドロ論を読み返している。「ディドロの意識は無数の個々の中心点を内包し、それらは相互に連結され、一つ一つが全体を反映している」「すべての発言のなかに一様な、連続する生命の流れを循環として感得せねばならない」。
ベンレカッサ先生も同じことをゼミで言っておられた。ディドロの美学や政治、科学や思想、演劇が個別的、断片的にあるのではない。その連関を通じて全体を把握すべきなのだ、と。評価の低いCF版全集はその意味で実は時系列順に全著作を配列したところに比類なき価値がある、とも。
http://d.hatena.ne.jp/d1021/20150202#1422873802
http://d.hatena.ne.jp/d1021/20150131#1422700381