ヨルダン政府は、日本時間の4日未明、「イスラム国」がヨルダン軍のパイロットを殺害したとする映像をインターネット上に公開したことを受けて、「残虐な犯罪に必ず報いを与える」として「イスラム国」への報復措置を決めています。
これについてヨルダン政府のモマニ・メディア担当相は4日、報道陣の取材に対し、「ヨルダンはテロを粉砕するため、集団的な取り組みの強化について協議している」と述べ、アメリカなど「有志連合」各国と協力して「イスラム国」への攻勢を強めていく方針を示しました。
また、訪問先のアメリカから急きょ帰国したヨルダンのアブドラ国王も、直ちに軍の責任者などを招集して安全保障対策会議を開き、この中で「われわれはイスラム国を崩壊させるまで容赦なく戦う」と強調したということです。
ヨルダンでは、パイロットの殺害を受けて、「イスラム国」への報復を求める世論が高まっていて、ヨルダン政府は今後、アメリカなどと具体的な軍事作戦の強化について協議を進めていくものとみられます。
ヨルダン軍のパイロットが殺害されていたことが明らかになったのを受けてアメリカを訪問していたヨルダンのアブドラ国王は4日、予定を早めて急きょ帰国し、首都アンマンの空港の周辺には、政府の呼びかけで大勢の市民が詰めかけました。
人々は空港から市内に通じる沿道に並び、アブドラ国王の車列が通過する際には国旗や国王の写真を掲げて、「イスラム国」と断固戦うとする政府の方針に支持を表していました。
これに対してアブドラ国王も車の中から手を振って応えていました。男性の1人は、「どの世界でもあのような殺害のやり方は許されることではなく怒りの気持ちでいっぱいです。日本人の殺害も含め、すべてのヨルダン国民が強い憤りを感じており、2人を処刑しただけでは十分ではないと思います」と話してました。
また別の女性は、「国民の結束を示し、国王や政府を支持する気持ちを表すために来ました。テロリストの死刑執行を支持しますし、「イスラム国」に対しては全面的な対抗措置をとるべきだと思います」と話していました。