個人的に条約交渉で際立っていると思うのが、日本の誠実さ。自国の情報は不利でも出しちゃうし、自国の利益と同じ位他国の利益とのバランスを気にするし、国際法の原則を極端に重んじる。不利な情報は出さず、自国の利益と同時に他国の不利益を追求し、国際法の原則も時に枉る米国とは大きく異なる。
米国は、交渉官かリーガルチェック担当に弁護士を据えるので、米国法律事務所の利益追求スタンスが反映されているのだろう。他方、日本は、国際法局の役人が、既存条約との整合性を中心にいかに法制局をスムーズに通すかという点を重視するので、学者というか第三者チックな交渉姿勢になるのだと思う。