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サーチナ|尖閣諸島「わが領土」と主張しないカリスマ指導者・・・1978年トウ小平発言を中国でも報道(1)

 トウ小平氏は、「中国と日本の人民には2000年の友好交流の歴史がある。悠久の伝統的友情がある」と主張。「友好の長い流れとしっかりとした土台がある。中日間には一時期の不幸な歴史があり、中国の人民は深刻な災難をこうむり。日本の人民も大きな被害を受けたが、2000年余りの歴史からすれば、要するに短い時期だ」などと述べ、「視線は未来に向けよう。一緒に努力しよう」などと、両国関係の構築を訴えた。


 尖閣諸島の領有問題についての質問に対しては「われわれは釣魚島と呼んでいる。名前も違う。この点から、(日中)双方の見方が違うことは確かだ」と述べて記者らをやや笑わせた後に、「(1972年の)日中国交正常化の交渉の際に、このような問題には言及しないと約束した」、「(今回の)平和友好条約の交渉の際にも、このような問題には言及しないと約束した」、「中国人の知恵からすれば、こういう方法でしか出てこない。なぜなら、言及したとたんにはっきりとできなくなる。こういう問題に絡めてあらさがしをして、中日関係の発展を妨害しようとする者が出てくる」と主張した。


 「両国政府がこの問題を避けようと話し合ったことは、比較的賢いことと考えている。こういう問題は放置しても、大したことはない。10年間、放っておいてもかまわない。われわれの世代の者は知恵が不足している。この問題は話しても結論を出せない。後の世代の人は、われわれに比べていくばくかは賢いだろう。そして、最後には皆が受け入れられる形式を見出して、解決することができるだろう」と述べた。

サーチナ|尖閣諸島「わが領土」と主張しないカリスマ指導者・・・1978年トウ小平発言を中国でも報道(2)

 日本では上記発言が比較的知られているが、「尖閣列島の“棚上げ論”は、トウ小平氏の一方的な言い分。日本政府が認めたわけではない。尖閣列島が日本領というのは、日本の一貫した姿勢」という主張がある。


 一方の中国では、「発言から30年以上が経過した。後の世代というのは、まさしくわれわれのことだ。したがって“棚上げ論”に拘束される必要はない。釣魚島を取り戻すのは今だ」との主張もある。


 しかし、トウ小平氏の発言を自然に解釈すれば、尖閣諸島の領有権問題で、両国関係の構築を阻害すべきでない。両国関係の進展を望まない勢力に機会を与えてはならないという考えが伝わってくるはずだ。


 トウ小平氏は、改革開放を断行し、経済発展をもたらせた人物として、現在でも「大きなカリスマを持つ」指導者として位置づけられている。その指導者が、尖閣諸島を「わが領土」とは主張しない公開発言が中国でも報道されたことには、同問題で日本との対立局面を続けたくないとの、中国当局の思惑が反映されている可能性がある。


 新浪網以外には、政府系のニュースサイトである中国網(チャイナネット)もトウ小平氏の上記発言を報じた。音声なしの記事としてだが、トウ小平氏が日本の要人に述べた「私は中国では高級知識分子だが、日本では小学生だ」、「1960年代、われわれの科学技術は国際水準との差があったが、それほど大きくはなかった。それから十数年、世界は猛烈な発展期に突入した。(中国は世界に)大きな差をつけられた」などの発言を紹介し、同氏が日本との関係構築を切望していたことを訴えた。