この事件は、２０１２年２月、南部フロリダ州で当時１７歳の黒人の高校生が自警団の男性に射殺されたものです。男性は殺人の罪に問われましたが、おととし７月、州の裁判所の陪審員が正当防衛だとして無罪の評決を言い渡したことで抗議行動が全米に広がり、アメリカ司法省が人種差別に基づく犯罪を禁じた公民権法の適用を念頭に捜査を続けていました。
これについて、司法省は２４日、目撃者の証言や事件現場に残された証拠などを改めて捜査した結果、「男性を公民権法違反で訴追するには証拠が不十分だ」として、捜査を終了すると発表しました。
また、ホルダー司法長官は声明を発表し、「訴追の要件は満たさなかったが、少年の死は事件で表面化した問題に向き合い、対話を続ける必要性を訴えている」として、人種差別などの解決に向けた対話の重要性を訴えました。
アメリカでは、去年、黒人を死亡させた白人警察官が相次いで起訴を見送られ、黒人社会を中心に抗議行動が全米に広がった経緯があり、今回の決定に反発が上がることも予想されます。
